【旅行記】純セレブ巡礼の旅 6日目(その1) 祝島 スーパーおばちゃん登場
都会から見れば便利なものはない・・・でも、それがいいんじゃない?
山口県の離島、祝島は過疎や高齢化、原発問題。一見のどかな祝島には日本の縮図のような問題が詰まっている。
びわや海藻類、豊かな海産物はある。
しかし、コンビニもない。信号も(たぶん)ない。観光名所もすくない。水資源は雨水に頼っている。
祝島にはもっと「ないもの」がある。
広告看板がない
コカコーラの看板も、ボンカレーの看板も、大村崑のオロナミンCの看板もない。
都会も地方も看板にあふれている。これは「買え!消費せよ!」というメッセージである。
この看板の強烈なメッセージは無意識に効いている。
こうした欲望を湧き立てる消費メッセージは、地味に、しかし確実に人を消耗していく。
祝島にはこうした広告看板が皆無なために、消費衝動が湧きにくい。
名古屋に帰ってきてから、私はこの消費メッセージがいかに大きなストレスであるか、とても実感した。
看板は見るだけで疲れる。「買え買え」とうるさいのが広告看板だ。
都市生活者が言う「何もないことがいい」というのは、単なる田舎暮らしへの憧れだけではなく、広告看板などの消費喚起がないという意味でもあると思う。
過剰に過剰を重ねた都市の消費生活は、知らず知らずに人を息苦しくさせているのだ。
移住してくる人々
岩田珈琲店の堀田さん家族は北海道からの移住者だそうだ。
祝島には、他にも移住してきた人たちがいた。私も滞在中に何人かの移住者のお話を聞いた。
千葉県から、東京から、北海道から、日本全国からの移住者。
経緯は不明だが、ドイツから留学ホームステイの学生もいて、島の人に可愛がられていた。
やはりというか、空き家がかなりある様子で、「1年に数ヶ月間でもアトリエとして使わないか」という話もされた。
祝島2日目の朝
旅行記に戻ろう。
1日目から、岩田珈琲店の奥の座敷を間借りして寝かせてもらった。
その夜半より風が強くなってきた。
風の音が気になり、なかなか眠れなかったが、朝の気分はとても良い。
せっかくなので、外へ出て早朝散歩をする。
海が、海が、俺を呼んでるぜ(妄想)
島の生活道は人と二輪車が通れる程度の道幅。4輪自動車は通れない。
岩田珈琲店に戻ったら、店主の堀田さんがいらしてた。(仕事場ですから当然ですね)
朝から挽き立てコーヒーをいただく。何杯飲んでも美味いコーヒー。幸せである。
今日は水曜日。おばちゃんが持ってくる焼きたてパンの日とのこと。
「焼きたてパン?」
そのうち外は雨になってきた。風は相変わらず強い。
ガラガラガラガラ〜(扉が開く)
「おはよう〜」(おばちゃん登場)
おばちゃんの引っ張ってきたキャリーから出てくる出てくる焼きたてパン。
おばちゃん
「今日の新作は、あんバターと照り焼きチキンのサンドだよ〜」
うおおお・・・
ざっと9種類か。
朝ごはんとして、私も2個買った。「いただきます」
ピザパンとテリヤキチキンサンド。ふっくらしていて、とても美味しい。
お店のお客さんが、パンのことを尋ねるので、おばちゃんは一つひとつパンの説明をしてくれた。
私は説明を聞いていて、だんだんとこのおばちゃんはすごい人だということがわかった。
- お年は80歳超
- 食べたことのないパンのリクエストがあると、レシピを調べて作る。それもみな美味い。
- 自分でオリジナルパンを作る努力に余念がない。
- パンを焼くためにほぼ徹夜。そのせいで、たまに寝坊して、電話で起こされることもある。
- 材料は全てスマホでネット注文
- 調理器具は全てAmazon注文
- 「たまに砂糖と塩を間違えてるかわからんくなる。でも味見すればわかるから問題ない。」と達観されている。
今回のパンの中に豚まんがあった。これは551の豚まんをわざわざ取り寄せて、原材料を洗い出し、かつ551を超える美味しさを目指したという。
そして、その豚まんは確かに美味かった。(昼に食べた)
ウルトラスーパーおばちゃんである!
(島ではどんな年齢でも「おばあちゃん」と言う人はいなかった。)
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