純セレブスピーカーは最初から調和している

音楽の重要なことに調和(ハーモニー)がある。語源はギリシャ語のハルモニア(一致、連結)である。

哲学的な言葉だと全体性、東洋思想的にも陰と陽、バランスとも共通する言葉。

レコードレーベルにもハルモニアムンディ(harmonia mund 宇宙の調和という意味)という名前のレーベルがある。(ドイツとフランスにある名録音の多いレーベル)

純セレブスピーカーを作っていると、今ひとついい音が出ないという事態になることがある。そこで部分にこだわりすぎず、全体のバランスを取るようにしたら、良い音が出るようになった。

低音が出ていないことが気になり、低音が出るようなことばかりしていると、確かに低音が出るようにはなる。

でも低音ばかりが出すぎて、全体にバランスの悪い(いわゆるブーミーな)音になってしまう。これはあるあるの話で、部分ばかりを気にするあまりに、全体ではダメなことになってしまう現象である。

これは音楽の現場でもよくある。

私がかつていた合唱団の練習のこと。

うまく歌えない数小節の部分を指揮者がこだわり、結局1時間以上かけて練習することがあった。

確かにそこの部分は上手くはなるのだが、他の部分とのバランスが悪くなり、全体の演奏が全然ダメになることがあった。

場合によっては練習した部分もかえって悪くなってしまうことすらあった。(練習の意味がないだろ!という話)

また、社会の調和ということも、この純セレブスピーカーのバランスをとることと意味は同じかもしれない。

富や権力の集中、弱者切り捨て、格差社会というのは極めて社会的にはバランスが悪い状態だ。

あるところに富と権力が集中しすぎて、社会全体が歪な状態になっている。オーディオ的に言えば低音ばかりが強調されすぎてしまい変な音が出ている状況である。

通常、スピーカーはある部分だけに重くしたり、負荷をかけたりすると、いい音が出ない。また木の箱だと箱鳴りも起こる。

そこで音をチューニングする必要が出る。そこで吸音材を詰めたり電気的な回路なども入れたりすると大変な作業になる。知らぬうちに大変な手間と多額のコストがかかってしまう。そうして高級スピーカーが出来上がる。

一方で純セレブスピーカーはあまりいじらなくてもバランスが取れてしまうから、とても楽である。シンプルな構造だし段ボールの性質も起因していると思う。元々バランスが取れて調和(ハーモニー)があるから、音楽的な音も出る。

人間は本来自然にバランス感覚、ハーモニー感覚を持っているはずだが、それがなかなか作動させられない現状がある。

純セレブスピーカーを作っていると、そのバランス感覚が養われる気がする。

ポイントは部分ではなく全体である。部分に負荷をかけたり集中させると、調和せずに音は良くならないのだ。

今日のレコード

ラムゼイ・ルイスのレコード。ジャケ買いしてしまった。ジャケ写の表情がいい。

朝顔 妻の作 レコードじゃないけど、夏の感じを味わってください。

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